ウクレレは所有するだけでも楽しい楽器です。邪魔にならず、愛らしい。しかも簡単に音が出せて、弾き方次第では小さな音で練習できるから、アパートなどでも近所迷惑になりにくい……。
まずはウクレレを手に入れましょう。
初めてのウクレレ選び──
結論から言えば、
- 中国製の安い楽器で十分。現在の中国製弦楽器は品質が高く、とんでもないハズレは少ない
- ギターなどでお馴染みの有名ブランドのウクレレも、ほとんどは中国工場で生産しているOEMなので、ブランド名に惑わされてはいけない
- サイズはコンサートサイズ(23~24インチ)かテナーサイズ(26インチ)を選ぼう
- ソプラノウクレレ(21インチ)は大人が弾くには小さすぎて弾きづらい
- ボディ材質はアカシアかマホガニーかサペリがほとんど。「単板」と書いてないものはまず合板
- 「コア材」と書いてあるものはたいていがアカシアの合板のこと。オーストラリアなどで採れる材で、伝統的なウクレレ材である「ハワイアンコア」ではない
- アカシアは低音が出ずシャリシャリした音だがウクレレっぽい音色。マホガニーはギターっぽい明るく太い音色。サペリはちょっとおとなしめのマホガニーという感じ
- 単板は合板よりも当然高額になる。仕様表に「単板」と書いてないもの(単に「マホガニー」とか「コア材」とか書いてあるもの)は合板だと思ってよい。単板のウクレレは1万円以下のウクレレにはほとんどないが、マホガニー、サペリ、スプルースの単板モデルなら1万円弱で買えるものもある
- 単純に単板だからいいというわけでもない。今は合板の製造技術も上がっているので、合板でも結構よい音がする楽器はある。また、1万円以下の単板ウクレレは、表板(トップ)だけ単板で横裏(サイド・バック)は合板というものがほとんど。音質にいちばん影響があるのは表板(トップ)なので、表板だけ単板でも十分に意味はある
- 初めてのウクレレは材質などにはあまり悩まず、デザインや「直感」で選んでもいい
……といったところでしょうか。
動画でも紹介していますが、初めてのウクレレでも、ソプラノ(21インチ)ではなくコンサートサイズ(23インチ)以上を選んだほうがいいでしょう。
チューナーは絶対に必要なので、持っていないかたはチューナーやケースがついているセットもお得です。でも、別に買ってもたかだか数百円のものですので、セットものにこだわる必要はまったくありません。
量産型ウクレレの多くは、本体は中国工場でまとめて作られていますので、メーカー名は関係ありません(同じ工場で作られた同じ型のウクレレが違うブランド名を刻印されて売られています)。3000円台の楽器でも十分使えますので安心してください。
要するに、あまり難しく考えずに、あとはデザインや色などで選んでもOKです。実際私はそうしました。
ウクレレのことがだんだん分かってくると、次第にいいウクレレがほしくなるかもしれません。でも、それは後になってからでもいいでしょう。まずは安いウクレレで、ちゃんと練習して音が出せるようになることが大切です。
無駄話:↑なんか偉そうなことをいってますが、私が初めて自分のウクレレを買ったのはつい先日で、このウクレレ教室を始めようと思いたってからのことです。つまり、ウクレレは超初心者なのです。
ただ、ナイロン弦ギターとは長いつきあいなので、ウクレレ選びにおいても、ある程度のことは分かります。
ともあれ、ウクレレを持っていませんでしたので、レッスン7までは借り物の2500円のウクレレで動画を撮っています。
最初に購入したのはKmiseというブランドのコンサートウクレレで、ほぼ100%デザイン重視で選びました。これなら音がショボくても、楽器として美しいからいいや……と。
中国のショップから通販で買ったので(54ドル=約5800円)届くのに10日ほどかかりました。現物はほぼ想像通りのものでした。
音はマホガニー合板の3000円クラスのウクレレのほうがよく鳴るかもしれませんが、美しいのでまあよしとしました。音も、よくいえば高音がキラキラしていてウクレレらしいかもしれないし。ただ、キラキラの中にも深みがあるかといえば、そうはいえず、所詮は合板の音かな~という印象があります(逆プラシーボ効果かもしれませんが)。
それを確認すると同時に、テナーもほしくなり、AmazonでポチしてしまったのがDonnerというブランドのマホガニー単板のモデル。1本目がアカシア合板だったので、2本目はそれと違う性格のものにしないと意味がないと思い、マホガニーにしました。
なかなかよい音ですが、悪く言えばウクレレっぽくない。なんかミニギターを弾いているような感じです。
でも、どちらも値段を考えるとよい買い物だったと満足しています。
詳細は以下の「番外編」で。