前回やったAmで『船頭小唄』は、センセの声域だとちょっと低すぎ。じゃあ、移調すればいいね。5度上だとEm? ……となりそうですが、ウクレレでEmの曲をやるのはちょっと難しい。4度上のDmにしてみると……お、こっちのほうが簡単だ! となるわけです。
ついでなので、sus4やm6といったテンションコードの作り方、使い方のエッセンスも入れてみました。
『船頭小唄』のような、ウクレレには不似合いな暗い曲が続きましたが、これはあくまでもサンプルとして使っているだけで、『船頭小唄』をみんなで歌いましょう、と言っているわけではないのであります。みなさん、ご自分の好きな曲をやってください。
ちょいムズ話:
ルート音(根音)に対して3度、5度といった調和しやすい高さの音以外の音は、一般に「テンション」(緊張)といいます。テンションを含むコードをテンションコードと呼んだりもします。今回出てきたsus4やm6などはその典型で、使い方を間違えるとものすごく耳障りになるので、うまく、ほどほどに使うのがコツです。
また、ウクレレは弦が4本しかなく、しかも4弦と1弦がほとんど同じ高さ(1全音違い)なので、構成音が多いコードは完全には弾けないことがあります。今回、イントロや間奏に使っている3弦の2フレットだけを押さえたコードは、A7sus4ですが、このようにDmに続けて弾いている場合、Aをルートにしたコードというよりは、Dmにテンションを加えていると考えたほうが自然なので、本来ならDなんとか、というコードネームをつけるべきなのかもしれません。でも、そうするとごちゃごちゃしますし、こういう場合は、無理にコードネームを定義しなくてもいいでしょう。Dmになんかくっつけてテンション感を出しているんだな~、くらいの解釈でいいのです。
では、Dmスケール(ニ短調)の曲のキモをまとめておきましょう
- Dmスケールの主要3和音は、Dm、Gm、A7。Gmの代わりにGm7を使ってもよい
- Dmが続く場合、Fを挟むとちょっと垢抜ける感じがする
- A7の前にA7sus4というコードを入れると変化が出る
- Gm7の後にGm6を続けるとカッコいいかもしれない
装飾音的にコードを変化させるテクニックを身につけると楽しめますよ。難しいことをする必要はなく、なるべく手抜きで、効果のある方法をいくつか覚えておきましょう。