Soda Method ウクレレ教室

番外編1 センセ、ようやく自分のウクレレを買う

レッスン7までは親父に買ってあげた2500円の安物ソプラノウクレレを借りてきて動画を撮っていましたが、この教室を始めようと思ったときに中国のショップに注文した自分用のウクレレが10日かけて届きました。
嬉しいマイウクレレとの対面を「番外編」として……。ソプラノサイズとコンサートサイズの違いを理解したり、弦の張り方のレッスンも兼ねています。

このウクレレはKmiseという香港を拠点にする200人規模くらいのメーカーのウクレレです。ウクレレだけでなく、自動車やカメラの部品なんかも作っているんですねえ。なぜかギターのネックだけ作っていたりも……。
Kmiseってどう読むんだろうと思って英語圏の人がUPしているYouTube動画をいくつか見てみたら、「クミース」と発音している人が1人、「ケィマイス」と発音している人が2人いました。ケィマイスのほうがかっこいいですかね。
おそらく他の中国製のウクレレ、Talonia、Elvis、Victory、Masmusic、Hua Wind、Strong Wind 、Ohuhu、Hricane、Aostin、Mokaini、Donner、AlaMoana、Sevenangel、Zebra、SENRHY、Eaglevox、Ammoon、Caramel……といったブランドの楽器は、ほとんど同じような中国工場で大量に製造されていて、ノーブランド状態のものをグロスで買い付けた各メーカーが若干化粧を施したり、単純にブランド名のロゴを入れたりして売っているのだと思います。
同一の業者が価格帯別に複数のブランド名を使い分けているケースもあるでしょう。そんな中で、ElvisやこのKmiseあたりは、ある程度ブランド名を浸透させるためにちょっとだけ質感を高めた商品構成をしているようにも思います。
値段の差は、使われている材料や装飾の有無で変わってくる感じですので、本体部分の品質はそれほど変わらないのではないでしょうか。

そんな中で私がデザインや写真で見た感じの質感で選んだのはが、たまたまKmiseというブランドだった、というだけのことです。

作りはしっかりしていました。音は若干張り出しが弱いかな、という印象。
多くの低価格帯ウクレレはマホガニー合板ですが、これはアカシア合板です。それも別にこだわったわけではなく、「あ~、これはなんかいいデザインだな」と思った楽器がたまたまアカシアだったということです。
アカシアはコロコロと愛らしい音だと評されているようで、実際、そうかもしれません。

ちなみに、ウクレレの材としていちばん有名なのが「ハワイアンコア(Hawaiian koa、Acacia koa)」という、ハワイ特有のマメ科アカシア属の木なのですが、今では稀少なものとなっていて、まず5万円以下のウクレレに使われていることはありません。ウクレレ愛好者にハワイアンコア信仰みたいなものがあるので、今はオーストラリア産などのアカシア材をわざわざ「アカシアコア」、あるいは単に「コア材」と呼んでいるのでとても紛らわしいことになっています。
アカシア系とマホガニー系(サペリなど)では音色がずいぶん違うことは確かです。キャラキャラしたウクレレっぽさを求めるならアカシア系、ギターのような太さと明るさを求めるならマホガニー系でしょうか。
まあ、この価格帯のウクレレで材料にこだわっても仕方ないような気がします。同じ品番でも当たり外れがあるでしょうし。
デザインがとてもいいので、あとはちゃんと音が出てくれれば十分です。それよりもまずは練習していい音が出せるようになること。
いい楽器を買いたいな……と思うのは、それからで十分でしょう。

右は2500円のソプラノウクレレ。インドネシア製。表板はマホガニーだと思うけど、もしかしたらスプルース系かも? なんか得体の知れない?合板で、音もいかにも合板っぽい音



アカシアは音はおとなしいみたいだけれど、木目が美しい。あとは完全にデザインで選んだ



ちなみに右のように歯車がシールドされているタイプのペグは剥き出しのペグ(左)よりちょっとだけ部品代が高い(はず)。このへんも、メーカーがその製品をどのくらいの価格帯に位置づけようとしているか見分けるポイントになるかも

弦を張るときの注意


動画の中で触れていますが、いつまでもチューニングが合わない場合、弦の取り付け方に問題がある場合が多いです。
工場で出荷する前に弦を張る人がいるわけですが、単に弦の先をペグの穴に突っ込んでクルクル巻き取り、先を鋏でプチッと切っておしまい……という人が多いのでしょう。
今回も、1弦がいつまで経ってもどんどん下がってしまうので、ペグをよく見たら、弦を潜らせていませんでした。このままだと、ペグの部分で弦が滑って緩んでいき、最悪、最後はスポッと外れてしまいます。そこで一旦弦を外して巻き直しました。

このように弦の先をくるっと輪にして、そこに弦を潜らせる



こういう感じにする



そのまま巻いていくと弦の先端が滑らず、緩むことがない




ついでにブリッジ(弦の下を留めている部分)側もチェック。このウクレレは珍しく、アコースティックギターと同じようにエンドピンで留めています。この場合、弦のお尻に結びを作って引っかかるようにします



これは2500円のソプラノのブリッジエンド。これは弦のお尻に結び目を作って玉にして留めている

イタリアのアキーラ(Aquila)社の「ナイルガット」という弦。ウクレレの弦としては超有名。本来のガット(羊の腸)弦の音質を現代の化学素材で実現したという触れ込み。実際、フロロカーボンのようにキンキンした音ではなく、普通のナイロン弦よりは安定している。⇒Amazonで980円くらいから


最初の印象は「なんか音がショボいな」という印象でしたが、いろいろ調整していくうちにいい感じになってきました。弦は、最初Martinのフロロカーボンに張り替えてみたところ、ただでさえ低音が出ていないのにますますキンキンした音になって耳障りに。その後もいろいろ試した結果、最後はAquilaのナイルガット弦に落ち着きました。
買ったままの弦もAquila社の弦ということでしたが、ナイルガット弦とは別物のようです。

Amazonで買えるコンサートウクレレ


サペリ(マホガニーに近い材)合板の安価なコンサートウクレレ。約4000円でチューナーやケースもセットになっていて、入門用にはこの程度で十分かな



マホガニーのコンサートウクレレ。ていねいに作られている印象。6200円。ちょっと余裕があるならこのクラスでもいいかな


アカシア単板ボディのコンサートウクレレ。ネックが反ったときに直せるようにロッドが入っている。単板で8600円はお買い得感がある。中国から送られてくるようなので、注文から到着まで少し時間がかかるかも(1~2週間?)



Ariaのアカシア合板?コンサートサイズ(タイトルには「コア材」とあって、商品詳細情報には「アカシア」とある。おそらくアカシア・コアの意味でしょう)。10980円。↓こちらのS.Yairiと同じもの(OEM)と思われます


S.Yairiのコンサートウクレレ。これも「コア材」と謳っているけれどアカシア材の合板。9712円。見た感じ、Ariaとまったく同じ工場で作られているような……


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